ビジネスゲームとは、ビジネスの構造をモデル化し、経営を疑似体験するゲームのことです。
その中でも研修用のビジネスゲームというのは、学ぶことを目的としたものとなっています。
これは狭義の定義で、研修ゲームやビジネスゲームと呼ばれているものの中には、疑似体験や経営とは関係のないものも含まれることがあります。
研修用のビジネスゲームと呼ばれるものを広くとらえた場合、よく見られるものは、おおまかに次の3種類に含まれます。
1. 経営シミュレーションゲーム
狭義のビジネスゲームとはこの経営シミュレーションゲームを指します。
ビジネスの世界をモデル化(単純化)し、経営者として会社を運営します。一般的には利益を増やすことが目的となります。
ゲームとしての面白さを組み込みやすく、参加者が熱心に取り組むため研修としての効果もより高まります。しかしゲームバランスやゲームルールの妥当性が低いと、参加者は白けてしまいがちです。
経営シミュレーションゲームはさらに次のように分類ができます。
取り扱い範囲による分類
●総合的なビジネスゲーム
経営上の幅広い要素を取り入れ、ビジネスの全体像をとらえることができるのが総合的なビジネスゲームです。視野を広げて自主性やリーダーシップ、戦略性などビジネスの総合力をぐっと高めたい研修のときに適しています。
●部分的なビジネスゲーム
学ばせたい要素(財務や品質管理など)をクローズアップしてゲーム化したものです。習得すべき知識やスキルが明確に決まっている研修の場合に適しています。
経営する人数による分類
●1人で経営するビジネスゲーム
1人が1社を経営するスタイルのビジネスゲームです。すべてを自分で意思決定する必要があるため、全員が気を抜かずに集中して取り組むことが求められます。自主性や決断力も鍛えられます。
会社の数が多くなるため、ルールによって自動的に結果を判定する必要がありますから、ゲームとしての作り込みがより必要です。
●チームで経営するビジネスゲーム
複数人がチームとなって、協力して1社を経営するスタイルです。どちらかというとこちらの方が種類が多いようです。
コミュニケーションや役割分担、チームビルディングなどが目的のひとつであることが大多数です。
参加者が一定人数必要であったり、講師が結果をひとつひとつ判定するため講師の人数が必要であったりします。
2. 課題を与えて過程から気づきを得るゲーム研修
学ばせたい内容とは直接関係のないテーマの課題を与え、クリアする過程で発生したことから、仕事の中で起こる共通点を見出し、気づきを促す研修です。
メンバーごとに制約条件を設定することで、チームで協力することが必要となるものが多いです。
課題自体は謎やパズルを解く、工夫をして物を積み上げるなどが中心で、達成時間の目標や競争を設定することでゲーム性を生み出しています。
アイスブレイクにもよく使われています。
3. カードを発想の切り口として使うゲーム風の研修
多様な言葉などが書かれたカードを使い、それを発想の切り口とする研修です。
カードを参照して各自がお題に沿った発言をし、相互理解や気づきを促すというスタイルが多いです。またカードを選んだり、並べ替えたりして、それらの言葉の関係性や優先順位を見つけ出すスタイルもあります。
カードをたくさん用意することで、幅広い考え方の切り口に触れることができ、心理的なものなど定量化しづらいことがらも扱いやすいのが特徴です。
カードを使うので「ゲーム」と呼ばれることもありますが、ゲーム性はまったくない場合もあります。
ゲーム性を取り入れたものでは、講師が発言を評価することで得点化し、競争するというパターンがあります。
ビジネスゲーム活用のコツ
ひとくちにビジネスゲームといっても、このように内容は大きく異なり、効果も目的もまったく違います。
学びの目的に応じた選択をするのが、ビジネスゲームをうまく研修に活用するコツだといえます。
ビズストームは、「総合的」で「1人で1社を経営する」、「経営シミュレーションゲーム」です。
ビジネスの世界をモデル化し、経営全体を一人で成し遂げる経験ができることが特徴です。ゲームソフトのクリエイターとしての経験と、経営コンサルタントとしての経験を活かして開発しました。
ゲームバランスや学びの深さなど、ぜひ一度体験してみていただければと思います。
(ビズストーム代表 箕作千佐子)