経営センスを鍛えるビジネスゲーム、ビズストーム

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清泉女学院短期大学 様(2018)

研修提供 : 清泉女学院短期大学 国際コミュニケーション科

     准教授 片瀬 拓弥

受講者  : 短期大学生1年 (オフィス実務演習 履修者30名)

時 間  : 6時間 9時~16時 (休憩1時間)

 長野県長野市の清泉女学院短期大学の上野キャンパスにて、国際コミュニケーション科1年生向けに科目名「オフィス実務演習」の集中講義としてビズストームを実施しました。和気あいあいとした雰囲気の中、普段、現代企業論やマーケティングという授業で学んでいるビジネス関連の知識について、自ら会社の社長となる体験を通じて学びました。

 

1.ビズストーム実施の背景

 昨年、ビズストーム8期分を実施した結果、学生に好評だったため、今年度も引き続き実施しました。

 

2.カリキュラム

 短大生対象のため、基礎的ビジネス用語を習得できること、また、ゲーム学習を通して、日常生活や他科目との関連性についての気づきが得られることを目的にしました。

 

カリキュラム(6時間:4コマ分)

①グループ自己紹介

②初級ルール解説

③初級バージョン (練習しながら3期)

④講義1

⑤上級バージョン (8期)

⑥講義2

⑦振り返り(PC教室にて)

 

3.研修風景

 午前中は、ルール解説を兼ねて初級3期を実施しました。最初は、顔が強張っていた学生達も理解が進むにつれて、ゲームを楽しむようになりました。午後は上級8期を行いました。最終獲得コイン数が、科目成績10%に反映されることもあって、皆、真剣かつ楽しんで取り組んでいました。最終的に残高「65コイン」を獲得した学生が優勝しました。学生全員の平均残高は「32コイン」となりました。

 

4.研修の効果

 コイン獲得数がトップの学生は、以下のように振り返っており、ゲーム学習の学習効果の有効性を伺うことができます。

「今回のゲームの勝因は明らかに競合他社がゼロであったからだ。もちろん途中で参入してきたひともいたが、その人の競争力はそれまでの参入回数からおおよそが計算できるため、市場調査を行い、自分の手札が最大の利益を生むことができるぎりぎりを攻めていった。よって高付加価値化の小さな市場で利益を生み出せたのである。また、社員は採用するときと給料のみを払うことでそれ以上の価値を生み出すことを学んだ。そして、カードを2枚残すことによって固定客をつけたことは大きな強みとなった。しかしながら今回はたまたま運がよかったに過ぎない。はじめから自分と同じ考えのひとがいたら、共倒れになっていただろう。成熟市場である食品市場かつ小さな市場は今回はうまくいった。例えば、人口が少ない地区に1件のみスーパーがあったとする。その場合、競合がいないためたとえ人口は少なくとも固定客によって利益は得られる。今回はこのケースであった。

 最後に、今回のゲーム学習を通して、計画性と情報収集の重要性について学んだ。商品力がどれだけ高くとも、競合の中で勝ち残っていけるのはほんと一握りである。これは、これから先、就活においても同じことが言えると思う。自分の強みと弱みを明確に把握すること、企業が求めている条件と照らし合わせること、情勢を把握すること、情報を整理すること。闇雲に行うのではなく、こうした一つ一つの段階を着実にふむことによってそれが相乗効果を生み、最終的に大きな結果になる。できる人はそれを当たり前かつ効率よくできているんだろう。自分もそうなれるように知識と経験を積んでいきたい。」 

 

昨年の実施分についての論文が日本教育工学会の論文誌に掲載されました。

「女子短大生のボードゲーム学習における学習評価への感情の影響」

日本教育工学会論文誌,論文ID S42020,2018/9

清泉女学院短期大学 国際コミュニケーション科 准教授 片瀬 拓弥) 

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